ラストゲーム 最後の早慶戦

”野球とは アウト(死)にならず
ホーム(家)に帰還するスポーツである-”

WBCが始まりましたね。
果たして連覇はできるのでしょうか?
WBCの親善大使の人が
「野球はアメリカのスポーツだ。必ず勝つ!」と
言ったそうです。
確かにアメリカ人としては、
そう思うだろうなと思います。

日本にとっての柔道や相撲と同じかなって。

でも、日本人も野球好きですからね。
国民的スポーツといってもいいんですから
連覇のプレッシャーに負けずに
日本の底力を見せてほしいです。

くしくも、この本を読みました。


一番上の言葉は、この本の冒頭に書かれています。

私が好きな映画「英霊たちの応援歌 最後の早慶戦」
と同じく、出陣学徒の壮行会として行った
『最後の早慶戦』を描いた映画のノベライズです。

「英霊たちの応援歌」の原作本も一緒に買いました。
映画とはずいぶん違っていますね。

映画では、早慶戦は最初のほうにおわってしまい、
あとは、その後の学生たちの最期を
描いているのですが
原作のほうでは、
最後の早慶戦を実施するまでの苦労が
中心でした。

そちらのほうも感動しました。

が、今日は「ラストゲーム」のほうの一文。
これをご紹介したいと思います。

戦地で、負傷して、
あとは手榴弾で自決するだけになった
早稲田の学生。

彼が言うのです。
「悔いなんかない。あの日・・・
あの1日があるだけで・・・
俺の人生は素晴らしかったよ」

あの日というのは、最後の早慶戦のことです。

 

「あの日」があるだけで、
自分の人生は素晴らしいものだったといえる。
「これ」があるから、人生に悔いはない。

そういうものがあるでしょうか?
そういうものを持てるようになるでしょうか?
死ぬ前に、彼のようにこう言えるでしょうか。

それを考えると、ちょっと焦ってきたりして。

敵国スポーツとして目の敵にされていた時代でも
野球のことをこれだけ愛していた
若者たちがいました。

今、世界を相手に堂々と野球をやれる喜び。
それを観戦して楽しめる喜び。
そして、世界一になったことがある
のだという誇り。

そういうものをちょっとでも思い出しながら、
WBCを楽しみたいものです。