伝統を受け継ぐ者

昼間、箱根駅伝の予選会をやっていました。
最後の結果発表しか見ていなかったのですが
出場が決まった大学は、
感極まって泣いていて感動的でした。
良かったですね。
落ちてしまった学校はかわいそうでしたが・・・。

毎年お正月は箱根駅伝を見ています。
これを見ないとお正月という感じがしないというか。
あまり陸上とかマラソンとかも見ないのですが
この箱根駅伝だけは見ていて飽きないですね。
毎年見ているから、コースも見慣れているから
かもしれません。
知っているところがでると、
それだけでもうれしいし。

それに、大学生の駅伝だからいいのかも。
高校野球もそうですが、
メンバーが入れ替わるじゃないですか。
永遠に同じメンバーではできない、というところが
いいです。
どんなに強い選手がいても、
卒業してしまいますからねぇ。

去年優勝したところでも、
今年は勝てるかどうかわからない。
それが面白いところです。

それに駅伝の面白さって、
襷を繋げるかどうかというところ。
繰上げスタートとかがあると、
ハラハラしちゃいますね。
もうすぐ中継地点に到達するのに、
目の前で繰り上げスタートしてしまったり。
一生懸命走ってきたのに、
襷を渡す次走者の姿がなくて倒れこんでしまったり。

うちの母親などは
「かわいそうに。ちょっと待ってあげればいいのに」
といいますが、いやいや、
そういうものじゃないでしょう(^^;

姿が見えているのに、
無情にも繰り上げスタートさせてしまう。
それが「ルール」だからです。
厳しいからこそ、スポーツの醍醐味があるのだと
思います。

社会に出たら、いくらでも
こういう厳しさはあるからね

そう言ってあげたい。

でも、襷を繋げなかった選手はかわいそうですね。
かなりあとまで、それをひきずってしまう
らしいです。
性格にもよるのでしょうが。

選手に責任は全然ないのに。
いい経験をしたんだよ

と言っても、それは傍観者の無責任な発言でしか
ないのかもしれませんね。

それだけ、襷にかける想いが強いのですよね。
それが、いいですね。
仲間の汗がしみこんだ襷を繋ぐんだ
という想いが。

襷を繋ぐことができても、下位の学校は
翌年は予選会から始めなければなりません。
それが今日あったわけですが。
先輩たちは、後輩たちに申し訳ないといって
よく泣いていました。
予選会から出場して参加権を獲得するのは
確かにキツイのでしょうが
そうやって勝ち抜いていけば、
かえって強くなるかもしれないですよ。
(そういうものでもないのかな)
シードなんて関係なくすればいいのに、と
思います。

でも、やはり連続出場している大学は
強いんですよね。
メンバーは入れ替わっても、
強さの秘訣みたいなものは
受け継がれていくのかもしれません。
それが、うまく受け継がれたところが
連続出場上位入賞につながるのかもしれません。

それを考えたときに思い出すセリフがあります。
「エースをねらえ!」という
テニスマンガなのですが
西高の3年生、竜崎麗香(お蝶夫人)が、
部活を引退したあと
2年生の岡ひろみに言うのです。

私はここで得たものをすべてあなたに伝えたわ。
それをより高めて後輩に伝えなさい。
それが伝統を受け継ぐ者の務めよ。
(うろ覚えなので、正確ではありません)

伝統を受け継ぐって
こういうことを言うのでしょうね。

本当は学校だけでなく、会社でも
ひとりひとりの社員はいつか「卒業」していく
理念・ノウハウのような伝統は受け継がれていく
そういう組織がいいのになぁ
と思います。