S社では、商品の梱包・配送を外部に
委託しています。
このブログを最初からお読みの方はご存知ですが
2004年2月までは、
社内でその作業をしていました。
本社の移転を契機に、
梱包・配送をアウトソーシングすることにしたのです。
そのため、今までその作業をしていた
パートの人たちがリストラされました。
その人たちが長年培ってきたノウハウは
何ひとつ継承されていません。
外部に委託したとき、
相手は「プロなんだから」とお任せ状態だったのです。
たぶん業務責任者は「説明したわよ」と言うと
思います。
でも、
S社が望むような形で梱包・配送業務を行うためには、
相手に何を伝えなければならないのか?
は、考えられていなかったのです。
当然、業務が始まると問題が続出します。
今まで同じ会社内で作業してくれていたときは、
目の前に商品もありますし、
融通はいくらでも付けられました。
パートの人たちも、
会社の方針はわかっていましたから
自分たちで最善の方法を考えることもできました。
でも、同じ場所にあるわけでもなく、
S社が実際にどうやっていたかなんて
知るよしもない外部の人たちが
パートの人たちと同じようにできるでしょうか?
プロだからってそれは無理でしょう!
でも、「お任せ」状態で
「よきにはからえ」がS社のやり方なのです。
問題が起きたら、
ひとつひとつ対処していきましょう、と。
今年7月より、アウトソーシング先を変えました。
いきなりです。
その時も、ノウハウの継承はもちろんありません。
前アウトソーシング先で作業していた人と、
現在のアウトソーシング先の人との接点は
ありませんから。
本来なら、それを繋ぐのは、会社側の人間です。
でも、同じ轍を踏んでいます。
そして同じことを言っています。
「プロなんだから、それくらいできるわよね」
梱包だの、配送の手続きだのの「技術」はプロでも
運営方針を決めるのは委託元でなきゃだめでしょう!?
物流の仕組みを考えるのは会社側の仕事でしょう?
現在のアウトソーシング先は、
さすがにはっきりしていて
「できることは、これとこれ。これ以上はできない」
と言ってきます。
だから、その条件に合うように、
こちらで仕組みを考えて
配送のデータを流しています。
そのデータに基づいて、
向こうは梱包・配送するだけ。
確実に相手に、その人が注文した商品が
届けば、それでいいのです。
「仕組みをつくるのは、依頼する側の役目」
私はそう思っていました。
ジャンルは違いますが、
今回のシステムを発注するときも
同じだと思っていました。
私にはSQLや.NETの知識はありません。
だから、システムを作ることに関しては
プロの技術をお借りしなければ、
望むものはつくれません。
でも、どういうものを作るか?
は、会社側が決めることです。
どういう形で運用していくのか?も含めてです。
で、現在行っていることと
大きく変えるわけにはいきませんから
S社のやり方というものを、
システムを作る会社に伝えなければなりません。
現場を知っているのは私です。
(一応Accessでつくったシステムがあるし)
だから、私は現場のやり方を伝える
システム会社はそれを自分たちの技術で形にする
そのつもりでいたのですが、
システム会社としては、
そうは思っていないようですね。
こちらはプロなんだから全部任せてもらいたい
と、言いたいようなのです。
たぶん、そういうシステム会社は多いのでしょう。
素人に口出しされたくはありませんよねぇ(笑)
その結果、
ブラックボックスのようなシステムができて
何か不具合があっても「どうしてそうなったの?」が
こちらにはわからず、修正してもらうのを
待つだけなのです。
それでも、ちゃんとしたものが出来てくるなら
いいでしょうけどね・・・(ブツブツ)
たぶん、S社の経営陣は
「相手はプロなんだから、できるでしょ」と
思っていたでしょう。
最初のほうの打ち合わせでは、
S社としてこのビジネスをどういうふうにしたいか!
の理想を語っていましたので、それですべてが
伝わったと思っていたのかもしれません。
で、現実に出来上がったものに不具合があると
「お話しにならないわねぇ!」と文句を言います。
たぶん、システム会社はコンサルティングも含めて
受けたつもりですから、
S社が今現在どうやっているかなど関係がないのです。
自分たちのコンサルティングで、
うまく回っていけばいいのです。
でも、S社の人たちは、
彼らからコンサルしてもらおうとは思っていません。
自分たちのビジネスは、自分たちのやり方で
やるのが一番と思っています。
うーん、冷静に見てみると、すごい対立図(笑)
これは私が間に入らないで、
直接対決してもらうほうがよかったかも~
と思う今日この頃なのです。